父さんなりに考えたんだろうけど。
高校進学を楽しみにしているカナコを連れて、日本を立つこと。
俺はさみしい気持ちはあるけど、これから社会人として自立するにはいい機会だと思っている。
父さんたちも、俺を連れて行く気は全くないようだし。
でも、カナコは?
きっと、すごく悩むんだろうな。
夕飯ができて、4人そろって食卓について。
今日のことを父さんにも楽しく報告しているカナコ。
「でね、今度から自転車で通学でしょ、新しい自転車欲しいなぁ」
おねだりモードに入ったカナコに、母さんは苦笑いしながら父さんを見て。
「あのな、カナコ。大切な話があるんだ」
箸をおいた父さんが、真剣な眼差しでカナコに話を始めた。
「え、なに、どうしたのお父さん」
母さんも箸を置くので、俺もなんとなく箸を置いて父さんの話を聞くことにした。
そんな俺たちを順に見て、ただ事ではないと思ったのか、カナコも持っていた茶碗を置いて、じっと父さんを見つめて。
一息ついて、父さんが口を開いた。
「実は、4月からまた転勤が決まったんだ」
「え、またお父さん単身赴任なの?」
高校進学を楽しみにしているカナコを連れて、日本を立つこと。
俺はさみしい気持ちはあるけど、これから社会人として自立するにはいい機会だと思っている。
父さんたちも、俺を連れて行く気は全くないようだし。
でも、カナコは?
きっと、すごく悩むんだろうな。
夕飯ができて、4人そろって食卓について。
今日のことを父さんにも楽しく報告しているカナコ。
「でね、今度から自転車で通学でしょ、新しい自転車欲しいなぁ」
おねだりモードに入ったカナコに、母さんは苦笑いしながら父さんを見て。
「あのな、カナコ。大切な話があるんだ」
箸をおいた父さんが、真剣な眼差しでカナコに話を始めた。
「え、なに、どうしたのお父さん」
母さんも箸を置くので、俺もなんとなく箸を置いて父さんの話を聞くことにした。
そんな俺たちを順に見て、ただ事ではないと思ったのか、カナコも持っていた茶碗を置いて、じっと父さんを見つめて。
一息ついて、父さんが口を開いた。
「実は、4月からまた転勤が決まったんだ」
「え、またお父さん単身赴任なの?」

