妹の恋人[完]

「ありがとうございました!」

キーを受け取り、エンジンをかける。

「うわー!お父さんの車とは違うね!」

低く響き渡るようなエンジン音に、俺の気持ちも上がりっぱなしで。

「どこへ行きたい?」

横で興奮しながらシートベルトをはめているカナコに問いかけた。

「え、買い物行くんじゃなかったの?」

「ああ、ほら、車受け取ったし。カナコの合格祝いに今日一日好きな所へ連れて行ってあげるよ」

「やった!」

うれしそうなカナコの希望で、少し離れた海岸までドライブへ出かけることになった。

車の中ではカナコの中学の頃の思い出話で盛り上がって。

受験が終わり、ほっとしている中で気分はすっかり高校へ。

海へ着くころには、春からはじまる新しい生活のことで盛り上がっていた。