妹の恋人[完]

寒さが一番厳しいくらいの季節だけど、今日は晴れていてドライブ日和だ。

無事に高校に合格したカナコへの、プレゼントでもある。

「さ、降りるぞ」

「え?駅前は次でしょ?」

駅前よりもひとつ前のバス停で降り、駅まで歩くと思ったのか、カナコは文句を言いながら俺についてきて。

「ここに入るよ」

バス停から少し歩いたところにあるディーラーに着いてから、カナコの背中を教えて中に入った。

「え、おにいちゃん?なんで車やさん?」

訳が分からないまま店のなかに入り、落ち着かない様子のカナコだったけど。

俺を見つけた担当者がすぐにやってきてくれて、席へと案内された。

「どういうこと?」

俺の横に座り、出されたジュースを飲みながら小さな声で俺に問いかけてくるカナコ。

緊張しているのか、訳が分からないといった感じできょろきょろとあたりを見渡していて。

「お茶しに来たんだよ」

「えっ!?」

ちょっとからかってみたりして、担当者が来るのを待っていた。