妹の恋人[完]

一般推薦のカナコの他にも、スポーツ推薦で入学してくる子もいるらしくて。

「私なんかよりもすごい子がたくさんいるみたい!楽しみ!」

どこまでも前向きなカナコに安心しつつ、これからの高校生活をぜひ楽しんでほしい。

「そうだ、今月の週末、日曜日だけど予定ある?」

「なにもないよ?なんで?」

日曜日に車を取りに行くことにしていたのを思い出し、カナコには内緒で買い物に付き合ってもらう約束をした。

3月まで毎日のように平日は塾のバイトが入っていて、家へ帰る時間がどんどん遅くなっていった。

それでも、あと少し。

今年が最後の経験。

皆が必死になっているように、俺も一生懸命で。

日曜日だけお休みで、友達ともなかなか遊ぶことができないでいた。

1月最後の日曜日。

約束通り、朝からカナコと共にバスに乗り込んで駅前へと向かった。

「買い物へ行くなら、お母さんの車を借りればよかったのにー」

俺と買い物へ行くときは車で行けると思っていたカナコは、バスに揺られながらそんな文句を言って。

「まあ、バスも悪くないだろ?」

これから新しい車を取りに行くということを知らないカナコをなだめながら、外の景色を眺めていた。