妹の恋人[完]

「いつか、ダイチが アメリカに店を出すときについていくのが私の夢」

愛おしそうに彼を見る土屋さんがかわいくて。

「叶うといいね」

果物を摘みながらマスターを見ると、なにやら金髪女性と顔を近づけながら話しているところで。

「まあ、私なんて相手にもされていないけどね」

そうつぶやくと、とても寂しそうに笑っていた。

仕事柄、女性客をないがしろにすることもできないんだろうけど。

でも、確かに自分が思っている人が目の前であんな風にしていたら、辛いのかもしれない。