妹の恋人[完]

「いい男でしょ?浅野君、彼がマスターのダイチ君」

俺の前にさっと出された名刺には、店の名前と彼の名前のみが書かれていた。

「かわいい子には裏に携帯番号も書くんだけどね」

なんて笑いながら、注文を取ってくれて。

おまかせで頼んだら、爽やかな味のカクテルを作ってくれた。

「ダイチはね、同い年なんだけどここ自分の店なのよ」

高校を卒業してから、2年間アメリカへ留学していたらしくて。

そこで身につけたものを生かし、帰国後にこの店をオープンしたらしい。
「元々、おやじがやっていた店を改装しただけだよ」