妹の恋人[完]

「はは、アツシ、サッカーのない日に一緒に行こう」

皆がとても暖かくて。

聞いてくれてよかったと思う。



授業が終わって、いつものように電車に乗り込みバイト先へと向かう。

今日はカナコたちが食べに来てくれるというので、ちょっとだけ気合いが入っていたりして。

店に着いてバイト仲間や店長にその旨を伝え、よろしくおねがいしますとあいさつをしておいた。

「カナコちゃんって確か6年生だったよな?サービスしなきゃな~」

店長がうれしそうにそう言ってくれて、仕事にも身が入る。

開店前の準備も終わり、仕込みの手伝いなどをしているとあっという間に時間で。

お店を開けると平日なのに何組かお客さんが来ていて。

「今日は忙しくなりそうだな」

バイト仲間とそんな話をしながら仕事に専念していた。

19時を過ぎたころ、父さんと母さん、カナコが店へやってきて。

「いらっしゃいませ」

席へ案内すると、なんだかカナコが照れていて、おかしかった。

「おにいちゃん、エプロンもかっこいいね」

なんて言うカナコがかわいくて。

働いている俺の姿を初めて見たカナコは、すごく興奮していたとあとで母さんが話してくれた。