妹の恋人[完]

気が付くと顔がゆるんでしまう俺がいた。

「コウヘイ・・・朝からきもい」

昼休みに、朝から様子のおかしい俺に気が付いていたアツシに、ついに言われてしまった。

朝、バスケットコートでの出来事を説明すると、とたんに目を輝かせたアツシ。

「いいじゃん、明日も行けよ。俺も行こうかな?」

「どこへ行くの?」

いつの間にかやってきたカヨちゃんとミズホちゃん。

二人とも手にしたトレーに今日のランチが乗っていて、これから食事を取る所らしく。

「コウヘイがバスケットを始めるってさ」

アツシの言葉に、びっくりした目でカヨちゃんが俺を見ていて。

高校1年までバスケットをしていたことは話したことがあったけど、やめた理由は詳しく話していなくて。

「え、バスケット?」

アツシの言葉を確認するかのように、俺に問いかけてきた。

「そう、今朝コートをのぞいたら誘われて、ちょっとやってきた」

今朝、バスケットを通して知り合った先輩たちの話をして、明日の朝も行こうと思うと伝えると、見学したいとカヨちゃん。

「一緒に見に行っても、いいかなぁ?」

迷惑じゃなければ・・・と控えめで。

「うん、早いけど平気?」

学校へ行く前にカヨちゃんの家へ寄り、一緒に行くことにした。