妹の恋人[完]

冬休みは、冬期講習のある高橋さんとほとんど会うことなく過ぎて行って。

年末年始は病院もお休みなのでリハビリもお休みで。

大掃除を手伝ったり、買い出しに付き合ったり。

以前ほどじゃないけど、カナコとも仲良くできるようになって、家族で過ごす時間を満喫することができた。

年越しは家族で家で過ごし、初詣もおばあちゃんの家へ行っている高橋さんと予定が合わず、家族で近くの神社へ。

そこで引いたおみくじも、吉とまあ悪くはないけどなんだか中途半端で。

カナコは大吉で飛んで喜んでいた。

そんな正月もあっという間に過ぎていき、新学期が始まった。

1年生最後の3学期。

進学校であるうちの高校は、3学期の成績で2年生のクラス分けが決まる。

希望の大学が決まっている人はそれはもう必死で勉強していた。

俺はここ!という大学はまだなかったけど、国立へ行けたらいいなあとは漠然と考えていて。

バスケットができない今、特にやることもなくて高橋さんと一緒に勉強をする時間が増えていた。

「コウヘイ君、志望校ある?」

国立の医大を目指している高橋さん。

「んー、特には」

なりたい職業もないし、どうしたものか。

「そっか。でも大学進学は目指してるんだよね?」

「まあ、それはね」