妹の恋人[完]

ケーキを片手にもったまま、逆の左手を高橋さんとつないでいる。

力強く握ることはできないけど、こうして手をつなぐことができる幸せ。

なんだかそんなことがうれしくて、楽しい気持ちのまま家へと着いた。

チャイムを鳴らすと、玄関まで飛び出してきたカナコとハナちゃん。

かわいいサンタの帽子をかぶり、メリークリスマス!とクラッカーを鳴らして迎え入れてくれた。

高橋さんとリビングへ入ると、沢山の飾り付けに料理が並び、まさにパーティーがこれから始まるんだ!という感じで。

母さんたちも浮かれてすでにワインなんてあけちゃってて。

「何でワイン!?」

ほんのり頬を染めた母さんたちにあきれながらも、買ってきたケーキを取り出した。

「おにいちゃんもサンタさんのカッコウしてくればよかったのに!」

そんなことをいうカナコに、今日はそれもありだったかな?なんて思ってしまう俺も、浮かれているんだ。

「コウヘイ君なら似合いそうだよね!」

きゃあきゃあ言いながら、カナコとハナちゃんが盛り上がっている。

パーティーも始まり、一通り食事も終えたところでプレゼント交換をすることになった。

皆が500円で用意したプレゼントを取り出し、ツリーの前に並べる。

「どうやってプレゼントを選ぶの?」

色とりどりのプレゼントにはしゃぐカナコとハナちゃん。

高橋さんも二人に混ざって同じようにはしゃいでいた。