妹の恋人[完]

不安になって看護婦さんに聞くと、リハビリすればスムーズにうごかせるようになるという。

「またリハビリ・・・」

でもまずは体調を整えないよね!と笑顔の看護婦さん。

心配そうな母さんを見ながら、再び夢の中へ。

目が覚めたら外は真っ暗で、脇にある台に夕飯が置いてあったけどとても食べれる気分ではなくて。

検温にきた看護婦さんが、微熱まで下がったから明日には平熱になりそうね、と言っていたけど。

とても気分が悪いので食事はパスすることにした。

深夜にまた熱が上がり、苦しくてナースコールを押すと解熱の点滴をしてくれて。

先生も様子を見に来てくれて、何とか眠れたんだけど。

翌日、左手のレントゲンや血液検査などをして夕方母さんと先生に呼ばれたんだ。

「術後の経過があまり良くないので、もう一度手術をした方がいい」

手術は成功したんじゃなかったの?なんだか頭を固いもので殴られたように立ち直れなくて。

車いすで病室へ戻り、母さんに手伝ってもらってベッドに横になる。

先生の説明だと悪くなっているところをもう一度手術すれば治るらしいけど。

「後遺症が残るかもしれません」

この言葉だけが頭に響いていて。

利き腕は右腕だけど。でも、左手が動かなかったらどうなるの?

バスケットは?