妹の恋人[完]

しばらくして様子を見にきた看護婦さんにお茶が飲みたいことを伝え、飲ませてもらう。

「もうすぐ先生が来ますから、診てもらいましょうね」

夜中、点滴をする前にも先生が診察してくれたらしいけど、まったく気がつかなかった。

しばらくしてきた担当の先生は当然外科の先生で。

夕べ内科の先生に診てもらったときは風邪だと言われたらしいけど、どうやらこの発熱は違ったようで。

左腕が重くて動かせないと思っていたら、やはり手術した傷口が何かで化膿してしまったらしく、発熱はそこから来るものだったようで。

朝には喉も痛くなっていたので、風邪もひいていたらしい。

「骨の調子は良さそうだから、ギブスははずしてみようか」

先生が俺の腕を見てそう言う。

固められた左腕は、熱で辛い俺にはとにかく重くて。

その後、ギブスを外された俺の左腕は、びっくりするくらい右腕よりも細くなっていて。

でも、傷口のあるところだけ気持ち悪く腫れていた。

看護婦さんに処置してもらい、点滴も変えてもらう。

薬のせいなのか、お昼過ぎには熱も下がってお昼ご飯もなんとか半分は食べることができた。

ギブスが外れてうれしいはずなのに、傷の痛みでなのかうまく左手が動かせなくて。

ずっと固められていたからなのか、指も動かなくて。