6月に入ると、体育祭まで2週間をきり、学校中が慌ただしい雰囲気に包まれた。

練習の時間も長くなり、誠也さんに会う機会も多くなった。



『麻ー里ーちゃん♪聞いて。聞いて〜』

『あっ!!誠也さん♪どうしたんですかぁ?』


私を見かけると、優しく話しかけてくれる誠也さん。

私はそれが嬉しくて、わざと誠也さんの視界に入っていっていた。


『俺。実は昨日…デートしちゃった♪』

『えっ…?』

『えへへ。まぁ君と♪』


誠也さんは、会う度にこんな風に私をいじる。
私は私で毎回騙されるんだけど。

それはそれで嬉しいんだ。






そしてその頃…