「こんばんわ〜誠也だよ登録よろしく」


その日の夜。
誠也さんから初めてのメールが届いた。

ものすごく嬉しくて、今でも保護してある。


「ありがとうございます今日はめっちゃびっくりしました〜でも嬉しかったです」



何度も読み返し、誤字脱字がないことを確認してメールを送った。



なんだか少し緊張していた。


相手は、あのせいちゃんだよ?
何を緊張することがある?

あっ…
せいちゃんだから緊張するのか。


誠也さんは、昔好きだった人。
それがたとえ、10歳の頃のことでも。
ちゃんとした
“好き”に違いなかった。

だから緊張するんだ。

振られたわけでも、嫌ったわけでもなく、ただなんとなく時の流れで。
成長していくことで、私が自然と忘れたものだから。




「俺もびっくりしたよまさか忘れられてるとは思わんかった」

「それは…誠也さんがかっこよくなかったから」

「やっぱりそれかぁ〜ごめんねかっこよくて」


『ふふっ』

なんだか懐かしくて、自然と笑いが込み上げてきた。


誠也さんは、昔からこんな感じだった。
人を笑わせるのが上手で、いつも明るい人だった。
一歩違えば、チャラチャラした感じなんだけど。


「えっと…字がよく読めないんですけど」

私は私で、そんな誠也さんとの絡みにのっていくのが好きだった。


「ひど〜いでも麻里ちゃん変わってないみたいでよかった」



嬉しかった。
“昔と変わってない。”
それはつまり、私との思い出をしっかりと覚えているということで。
昔を思い出せるくらい、鮮明な記憶なのだ。

悲しいことに、私の記憶は曖昧だけど、誠也さんが覚えててくれるだけでよかった。



それから何通かメールをして、誠也さんがお風呂に入るからということで、メール終えた。