誠也さんと初めて話した日から、誠也さんは毎日私に話しかけてくれた。




……というのは嘘で。

あれから何にもない。
団活動で顔を合わせるけど、話すこともなければ、目があうことすらなかった。



『お持ち帰り…』

『まぁ!!麻里ちゃんの口からそんなハレンチな!!』
私がぽつりと呟くと、大輔がすかさずつっこんだ。


『ちっ違う!!今のは…』

『今のは?』

『あ〜!!せんさん…だっけ?』
私が口ごもると、奈美が代わりに言った。


『なっ!?なんで奈美が知ってんのさ』

『ふっ』
奈美が意味ありげに笑う。

『ちょっと奈美〜!!』

『ふふっ』


また…
なんなんだ。こいつ。

『自分でも気付いてないんだもんね〜。私の口からは言えないわ』

『だから何が!!』

『だから〜私からは言えない♪』
奈美はどこか楽しそうだ。

また私のことからかってる!!


『何??なんなの!?二人して私のことのけもの!?』
大輔がそう言って騒いだ。

いや。
私がからかわれてるから、大輔一人じゃないよ。

って思ったのに…
『あのね。大輔ちゃん…』騒ぐ大輔に奈美は、何か耳打ちをして二人して含み笑いをした。

『ねぇ!!二人してひどいよ〜』


『『麻里ちゃん。か〜わ〜い』』


膨れっ面の私を奈美と大輔は、そう言って笑った。


うざい!!
うざすぎる〜!!