散歩道

気まずいままダンスの練習は進んだ。

しかも私は、ダンスとかそうゆう音楽的なものは、まるっきしだめで。
覚えるのに少し時間がかかる。
新しい段階へ進む度、三年生の応援団の人が私一人に教えにきてくれた。

それが孝之さんの時は、本当に死にたいくらい恥ずかしかった。


『すいません…』

私は、本当に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で言った。

もう。
どうしてこんなにも鈍臭いんだろう。
これじゃあ、孝之さんの顔見れないよ…


『大丈夫。大丈夫。みんなだってそんなに急激にできてるわけじゃないんだしね。気にしなくていいよ』

『はい…』

孝之さん優しい!!
なんて優しい人なんだ!!


『麻里さ〜ん。作戦ですかぁ?』
奈美がにたにたして言った。

『ちっ違いますよ!!』

『ふ〜ん。そっ』


本当に、そんなんじゃないんだから。
孝之さんが優しくて嬉しいけど、私は私で惨めなんだよ…。