大輔は上戸彩が好き。
超好き。
うざいくらいに。

『けど俺は、上戸ちゃんと付き合いたいぞ!!』


…はいはい。

白々しい目で大輔を見てやった。

『なっ!!なんだよ、その目は。言っとくけど俺はな。本気なんだぞ』

よくもまぁ、そんなことを。


『だから何なんだよ。麻里』

『いや…恥ずかしい奴だなって』

『なっなんだよ!!ほっとけバカ』


ここまでしゃべってようやく気付いた。
またきりがない。
これだから私たちは、話が進まないんだ。

大輔も大輔だけど。
それを相手にする私って…

『はぁ…』
なんだか自分が悲しくて、ため息がでた。


『話もどすね』

奈美が軽くいらついた声で言った。
奈美は、じれったいのが大嫌い。
私と大輔だからこそ怒らないけれど、内心結構きてるはず。


奈美…
ごめんなさい。


『でさ、付き合いたいとか思わないわけじゃん?麻里は。けど好きなわけで。しかも中学の時からずっと』

『うん』

『それで今まで彼氏いらないって言ってきたわけでしょ?』

『う…う〜ん』


別にそうゆうわけでもないんだけど。
中学の時も何人かとは付き合ってたし、みんなそれぞれ好きだった。


『はっきりしないわね〜』

『はっきりしてるよ。孝之さんは好きだけど、見てるだけでいい人なの。むしろ付き合いたくない』

『じゃあ、協力とかなしでいいの?』

『うん。いいのいいの』



まぁ。そんなこと言っても…


『おっ!?孝之さんはけ〜ん!!』

『本当!?うわっ!!本当だ!!今日もかっこいい!!』


なんて毎日やってるんだけど。