通学電車、帰り道。

「ごめん、じろじろ見過ぎちゃったかな」

「や、そういうわけではないんだけど」

と言っていた時、ちょうど織田君の駅に着いた。
乗客が降りていくのを見ながら、

「あっと言う間だったね、今日はありがとう」

すかさず帰りのお礼を述べると、織田君は立たずに、ちょっとバツが悪そうに座ったままでいた。




「……送る。もうちょっと、話したいし」




電車のドアが閉まり、ゆっくりと進み出す。


まだ続く、ゆめみる時間。