通学電車、帰り道。

帰りの電車は混んでなくて、二人で座ることができた。
つかの間の地上の風景を楽しんだ後は、地下に潜っていく電車。
カタタン、カタタン、と心地よい音を鳴らして、窓ガラスは黒に変わった。

膝の上に置かれている、筋張った織田君の手。


私……ずっと、手をつなぎたいことばっかり考えてる。

織田君はどうなんだろう。

いまいち、織田君の気持ちが見えなくて。

今のこの関係は、トモダチなのかな?



「あんまり見ないで……」

「えっ」

「見られると緊張する」

私、見てた?
恥ずかしい!

困ってる織田君の隣で小さくなり、深く座り直す。
もしかして、私凝視しまくってたのかな。