通学電車、帰り道。

昇降口で、制靴を床に置く。
上履きのかかとに指を入れた時に、入口の外に立っている織田君の立ち姿が見えた。

その途端、ドクンと心臓がはねる。



織田君は通りすがる誰かに笑顔で何か話していて、その姿は……すごくかっこいい。

なんて声をかけたらいいんだろう。


「待った?」

っていうのも、なんかなれなれしい気もするし。


「一緒に帰ろう?」

が、いいかな……。



いろいろシュミレーションしてみるけれど、ドキドキは静まるどころか止まらなくなってくる。


……よし。一緒に帰ろって言おう……!

下駄箱に上靴を入れて、織田君に駆け寄った。