「ただいまーねえママみて〜!」

少し遅い朝食の準備をしていると、彼氏の家に泊まりに行っていた優美が帰ってきた。

「んー?あ、婚約指輪?」

「そうそう!センス良くない!?」

「うん、優美によく似合ってる。」

「ありがとママ!パパにも見せてくるね〜!」


そう言って優美は2階に登った。
主人はまだ布団に入ってるようで降りてこない。

スタスタスタ...トントンッ!ガラッ

「パパ〜」

「おー、なんだい迷える子羊ちゃん」

「いや、全然迷ってない。まっすぐ進んでるよ!猪並」

「じゃあ俺も猪になる」

「...。まあいいや、これ見てー?」

「ん?どこで買ったのそれ」

「ちがーう!こ ん や く ゆ び わ!!!」

「こんにゃ...」

「昨日貰ったの!」

「ふーん、嫉妬。」

「パパはママにどんなのあげたの?」

「...おやすみぃ」

「え?パパとママって単純に指輪付けてないだけじゃなく、ないの?」

「.....。」

「え、それママ可哀想じゃない?」

「.....要らないって言われたんだよ。」

「要らない訳ないじゃん!ママだよ!?欲しくても欲しいって言わないでしょ!」

「...え、アレルギーなのか、もしくは興味無いのかと」

「はあ!?パパそれ本気で言ってんの!?」

「え」

「...はあ。もしかして化粧台の下の引き出しにサビかかったオモチャの指輪入れてるのもしらないの?」

「なにそれ初耳」

「え!?よく化粧する前に付けて喜んでるのみるけど!」

「実は前世で約束した人でも居るのかな...」

「んなわけ!パパが覚えてないだけじゃないの!?見てみたら?」

「...。」

「はあ、とりあえず私ママの所に戻るね!」

バタン