「はぁ~やっぱりモテ男は格が違いますわ~」放課後のチャイムがなった時、ため息混じりにみっちゃんこと佐々木美月が私の席でそう呟いた。その人は今日も沢山の女の子達に囲まれてウザがっている。「まぁ、学校一モテるって言われてるもんね」みっちゃんの言葉に同意をする私は、高校一年生の青空夢実皆にはむぅって呼ばれてる。「そういや、むぅは好きな人出来たの?」「ううん!出来るわけないでしょ!」いきなりみっちゃんがそんなことを聞いてきて慌てて否定する。でも...本当は学校一モテる浅野君。浅野勇翔君の事が好きな女子の内の一人なんです。でも、そんなこと誰にも言えるわけなく...高校で知り合った親友のみっちゃんにも言えないままでいる。「あっ今日塾あるから先に帰るね!」「あ!みっちゃん今日塾の日か!ばいばい!」「うん!じゃあ!」そう言ってみっちゃんが教室を飛び出して行った。ってか、気付いたら私以外誰もいないんですけど!?「やば!喋りすぎてたか!」慌てと帰ろうとした時、「うっわ最悪だよ。忘れもんするとか...」そう言って誰かが教室に入ってきた。入ってきたのは...「あっ、浅野くん!」「え!お前まだ残ってたのかよ。えっと...」「あっ、青空!青空夢実!」「あーそうそう青空な」はぁ、やっぱり名前すら覚えてもらってない。分かっていても少し悲しくなる。って!待って!私今学校一モテるって言われてる人と喋ってるんだよ!?そう言ってあたふたしていたら、、、「そう言えば、お前はほかの奴らと違って寄ってこないのな。安心した。」えっ!そんなことあの浅野君が思ってたんだ。「えっ!うん!そんな、私なんか思ってても出来るわけないし!...っ!!」うっわ!慌てて返したせいで、大変な事言っちゃった!こんなの、寄りたいって言ってるようなもんだよ!最悪!「っ!!じゃなくて!...あっ!きょ、今日帰りに用事あるから!じゃじゃあね!」「あっおい...」バタバタと用事なんて無いのに嘘ついて慌てて逃げちゃった。そして、学校を出た時、「あっ!英語のノート忘れた!」咄嗟に出てきたせいで英語のノートを忘れてしまったことに気付いたがもう遅い。「最悪だ、変なことも言っちゃったし...はぁ、明日気まずいなぁ。」そう言いつつも喋れた事が嬉しくて自然とニヤニヤしてしまう。「まぁ、何とかなるか!」私の唯一の長所である、ポジティブのおかげで何とか立ち直ることが出来た。でも、せっかくの大切な時間をあんなに無駄にしてしまうなんて...もう二度と話せないかもしれないのに...そう考えると何だか泣きそうになってきて、私は慌てて上を向いて走って家に帰った。