彼女は、怒ってるわけでもなく、 泣いてもいなかった。 切なそうな顔だけど、優しく笑って俺を見つめていた。 「佐原さん?」 「私、先輩の好きな人って、どんな人なんだろって思ってました。だから教室行ってその人は誰だろーって探してたんです。」 そっか、俺の教室きてたのは、その理由もあったんだ。 俺、確かに最近ーのんちゃんと顔すら合わせてなかったもんな。