ゆっくりと崖に向かって歩んでいく。


快晴くんのいない世界なんて
紗香にはいらない。


お姉ちゃんのことが好きなんて絶対に
許さない。


快晴くんは紗香のもの。


あー…この世界は間違えてるんだね♪


早く死なないと…


そう思った瞬間崖から落ちていた。


別に悔いなんてないもん。


最後は笑顔で快晴くんを見てあげないと…!?


「危ねぇ! バカっ!」


今までに聞いたことのない荒々しい声で
叫んでいる。


その途端、腕をぐいっと引っ張られ
上向きに体が浮いた。


「え…なん…で…?」


紗香と行き違いで快晴くんが落ちていく。


そして快晴くんは波に呑み込まれた。