「なんかごめんね…色々迷惑かけちゃって…」


「大丈夫。それより風香のおばさんに
頼まれた葡萄持ってきたから。」


そう話しながら綺麗にテーピングして
あっという間に処置は完了。


「ありがと、あっち置いといてー」


はいよって声がキッチンの奥から聞こえた。


「じゃあ俺は紗香が待ってるから…」


紗香という名前を聞いた瞬間
胸がチクッとした。


「う、うん…じゃあね…」


「おう!足直せよ?」 「じゃあな!」


扉が静かに閉まった。


快晴が持ってきた葡萄は
とても甘酸っぱかった。