ある夜の出来事



そんなこんなで、その場で立ちすくんでいたら




「いたいた。桃、もう電車なくなるから帰るよ!」






そうルリが言って、私のカバンを渡してきた。





由紀と恵子は、すでに出口のところで、私たちを待っているところだった。





「あ、あのね。携帯が…」


「携帯?
とりあえず、時間ないし駅までダッシュするよ!」





ルリにそう言われ


私は黒い携帯を左手に持ったまま、みんなに付いて駅へと急いだ。