俺はさっきの二人の会話を聞いたあと、自分の席で憔悴していた。
「はぁ……」
やっぱ、この見た目か…。
わかってはいたけど、津奈木の好きなタイプじゃ無いことは確実だな。
しかも、津奈木は男が嫌いみたいだし。
「んんー…」
頭を抱えて悩んでいると、誰か一人が俺のそばに来るのを感じた。
「バッカだね〜。なにあれだけの事で傷ついてんの?」
「あ、お前…」
「橋田未央でーす」
そうピシッと敬礼した女の名は橋田未央。津奈木といつもいる友達っぽい。
「坂下君さぁ、仁奈の事好きでしょ?相当」
「はっ…はぁ!?なんっ…」
「バレっバレ。ま、頑張りな」
そう言って去る橋田に、俺は驚きと戸惑いでしばらく固まっていた。