それからというもの、俺は猛アピールの日々だった。

津奈木仁奈というその子は、話してみて心も優しいのだと感じた。
後で知ったのだが、彼女は「男性恐怖症」というものらしかった。
小さい頃親が離婚して、それがきっかけで男性が怖くなったのだという。

なのに、生徒手帳を落とした俺に話しかけるのは、相当ハードル高かっただろうな。ただでも俺、見た目がこんななのに。

それを想像するとふっと笑みが零れた。

(両思いになる日も、近いな)

そんなふうに浮かれていた、のだが………