好きなだけ。

「隣空いてるけど座る?」

つり革に捕まっている私の前には
座っている歩夢がいた。

「あ、いや、大丈夫...」

私は本能的にやばいと思って下を向いた。

「そんなあからさまに嫌そうな態度取られると、結構傷つくんだけどな」

「ご、ごめん!」

顔を上げると悲しそうに笑う歩夢がいた。

「別にいーよ」

それから私たちは何も喋らなかった。