「ねーー!!恋バナしよー!」

授業が始まって何分過ぎたのかはわからない。
その前に、授業中にするはなしでもないが、苗希がいった。




「奏亜ー。誰かスキな人いないのー??」




あ。今一番私が困る質問をあなたはしたぞ。



「んーーー。どうだろーねー」

「えー?じゃー喜多方はー?」





「あぁ!わたしぃ、知ってるよぉ!」




そう言ってきたのは、私たちの隣のグループの小泉渚々(こいずみなな)だった。



渚々は女の子っぽっくて、化粧もしちゃって、なんか人気者___らしい。




「喜多方ぁ。耳貸してぇ」




ドキッ。
あれ?なんで今心臓がはねたの?

そして、耳元でなんか言ってる。それは私には聞こえない。




「!!!なんで知ってんの?」

「ふふーん!スゴイでしょぉ!」


やばい。なんか苦しい。なんで?????




ポンポン。







「え!?」


頭の上になんかが置かれた。
見上げると、そこには、綺麗な星翔の顔があって、頭には星翔の大きな手が、置かれていた。





「き、星翔?」

「大丈夫か?」

「な、な、何が???」



「あぁ。きらとくぅん。やっほぉ!」



声の高さを変えて、渚々が星翔のそばに寄った。
そんな渚々を無視して星翔は続ける。

「何がって、全然センセーの話聞いてなかったろ?」

「あ。じ、授業。。」

「忘れてたろ?」

「そ、そ、そんなことないし!」


「めっちゃキョドってんじゃん!!」


今の声は星翔じゃない。喜多方だ。