「とりあえず、凛が行きたい場所を決めさせて~」

「計画はモニカと伊織に立てさせるか?あいつら、そういうの好きだからな。」

「それだと伊織がらみの宿になんねぇか?金の面で楽させてもらっちゃ・・・悪いじゃんか?」

「つーても、その方が防犯面を気にしないで、リラックスできんだろう?俺ら、敵がいまだに多いだろう?」

「う!そ、それもそうだな・・・俺らはいいが、凛を巻き込んじまうのは良くないからなぁ~」

「あと、戦闘後の後始末を考えればその方が良いぞ。皇助は手加減をしないからな。」

「そうだった・・・!あいつのせいで、危うく退学になりかけたんだった・・・!!」

「じゃあ決まりだな。」

「そうだな。つーことで、凛!」





私の頭を、髪を撫でまわしながら瑞希お兄ちゃんは言った。





「『みんな』でどこへ旅行に行きたい?」

「・・・・・・・・・・」



どこって言われても・・・・



「どうした?遠慮はいらないんだぞ?」

「あ、いえ・・・聞いてた話とちがぅたので、その~」





瑞希お兄ちゃんと2人きりだったと思っていただけに、ちょっと・・・かなりショックだった私。

そんな私を見て、まっとうな瑞希お兄ちゃんが首をかしげる。





「え?俺、なんか言ったか?」

「いやいや、瑞希こそ天然過ぎんぞ?最初から今まで、さんざん『海に行きたい』って騒いでたじゃんか?それじゃねぇ?」

「え!?お、俺、そこまで言ってないよな、凛?」

「え!?いえ、その~」




言っていましたとは言いにくい。

海海と聞きすぎて、行先は海なものだと思っていた。

それが決まってないというなら、ここまでの瑞希お兄ちゃんのアピールはどうなるんだろう。





「わ、悪い悪い!気にしなくていいぜ、凛!俺のことはいいからさ~海は・・・・まぁ、行けそうなら、バイクをかっ飛ばしていけばいいし~はははは!」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「ただなぁ~気になる海ってのが、良い温泉旅館があるところで~海を見ながら湯につかれて、飯も最高で~♪いや、伊織のおかげで泊まれた場所なんだけど、良い湯でさ~♪銭湯とはまた違うんだよなぁ~・・・♪」





そう言って苦笑いする姿で察する。





(行きたいのに、私に遠慮して嘘ついてる!!)





〔★わかりやすかった★〕