「まぁ、日本の『おもてなし』は外人に受けがイイ。この宿も、最近は金のある外人客も増えてるからな。」
「だから、円マークを作りながら言わないでくださいよ。」
呆れつつも、話題を変えるために聞いた。
「その話の流れからしますと、ここのおかみさんも忍者の子孫なんですか?」
「いいや。ここの女将は、他県の名旅館から嫁いできた身だ。手裏剣など使うか。」
「そうですか・・・」
「なんだ、凛?歴史が好きなのか?」
私のリアクションを見て、茶わん蒸しを食べる手を止めながら瑞希お兄ちゃんが聞いてくださった。
「あ・・・・はい、興味はあります。得意科目ですし。」
「わはははは!俺様知ってるぞ!源氏物語は、清少納言が書いたんじゃないだろう!?」
「それを言うなら紫式部だ。一般教養も覚えとらんのか・・・・!」
「ほーんと、イオリンのおかげで進級と卒業できたもんね、皇助は~?」
「あんだとモニカ!?オメーなんか、男に入れ込んでバイトしまくって学校休んで出席日数危なかったんだろうが!?」
「ちょ、凛ちゃんの前で言うんじゃないわよ、おバカ!!」
「懐かしいなぁ~10代の頃は~もっと遊べばよかったなぁ~」
「フン・・・ガキみたいに、誕生パーティーをしたりしたな・・・実に下らんかったぞ。男同士でなにが楽しいのやら・・・。祝ってもらうことになったから、渋々喜んでやったけどな。」
「その割には、長くしゃべるな伊織。そういや凛、誕生日はいつだ?」
「あ・・・僕、9月なんです。」
口に入れていたお刺身を飲み込みながら答える。


