彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)







石段を登り終え、たわい話をしながら、伊吹陽翔のお墓の側まで来た時だった。





「凛さん!」

「あ、可児君!?」

「お早いおつきっすね?」





いたのは、ホウキを持った甚平姿の新・副総長。

ニカッと笑って出迎えてくれた。





「掃除してくれたんですか?」

「いや~『先輩』になりますんですね。」





お墓を見て気づく。




「お供えまでしてくれたんですか・・・?」




お花に果物に、お線香。

個人が好きだった缶ジュースまであった。




「いや、これは俺じゃないんですよ。」

「可児君じゃないの?はき掃除してるのに?」

「あ、いえ、実は~ホウキを持ってここに来た時には、もう綺麗になってまして~せめて、地面だけでも整えようかと~」

「それはつまり・・・」




チラッと瑞希お兄ちゃんを見る。

無表情だった。



「ほ・・・他の関係者ですかね・・・?」

「ご、ご家族・・・・かもしれないですね~」

「可児君!」

「あ、すんません!関係者です!」



きっと、家族が来たんだ。




「おーい、なに固まってんだ?」

「お線香のにおいもするけど・・・」

「可児じゃないか?」

「わはは!待ち伏せかよぉー!?」

「烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼さん。」




こちらへ向かって歩いてくる集団。

遠慮して、ゆっくり来てくれた先輩方。

彼らも異変に気づき、お墓の前で固まった。




「ちょっとぉ~これ~もうお供えがすんじゃってるじゃない。」

「俺達やることがなくなったな・・・」

「そうなるな。やれやれ。」

「わははは!オメーがしたのか、可児!?」

「い、いえ、ですから、関係者がですね~」




説明をはじめる可児君。

私は私で、黙ったままの瑞希お兄ちゃんに声をかける。



「あ、あはははは・・・先を越されちゃいましたね~?」

「ご住職からは、『今日も来ない』って聞いてたが・・・やっぱ、息子だもんな。」

「あ、すみません!親父にはよく言っときます!」

「いや、気遣いはいらねぇーよ、可児。俺らの方が遠慮する立場だ。手だけ合わせて帰ろう。」

「えーお花どうする、みーちゃん?」

「菊を飾るのもな・・・」

「思いっきりお墓用だからなー」

「あ、あの!お花を挿してるところ、まだ余裕があるので押し込んでもいいじゃないですかね?」

「押し込むって凛・・・。」



それで瑞希お兄ちゃんの表情が変わる。

悪い方から良い方へ。