「怒るわけないじゃないですか・・・!僕が伊吹陽翔さんだったら、瑞希お兄ちゃんに向かって、泣いて、叫んで、土下座します。」
「やめろよ、そういうの・・・」
「瑞希お兄ちゃんばっかりが悪いわけじゃない!自分を責めないでよ・・・」
「何もできなかったんだ・・・」
「してるじゃないですか、お墓参り。今からだって・・・」
「いなくなった後にしても、意味がない。」
「やることに意味があるんです。」
「ほらな。そうやって、俺を励ます。」
そう言われた時、私をつかんでいた手が離れる。
代わりに、両頬を両手でおおわれた。
「凛はそうやって・・・・俺を思ってくれてる。それだけで俺は、救われてる・・・」
「お兄ちゃん・・・」
「凛に会えてよかった・・・・14の時の俺を褒めてやりたい。」
「ぼ、僕も・・・」
幼かった私を抱きしめてあげたい。
あなたが大人に反発したおかげで、私は彼と出会えた。
無茶苦茶なことも多いけど、人を愛する意味の大切さを知れた。
うわべだけじゃなく、ちゃんと心から付き合える友達もできた。
それでも―――――――
「ちゃんと、覚えててほしかったな・・・」
「あ、悪かったって!6年も前のことで、しかも1回会っただけの坊主っていうのが~」
そうじゃない。
「思い出すのには手間取ったけど、ちゃんと凛のこと、思い出したよな?違わないよな?」
「そうですね・・・」
性別が違ってたけどね。
〔★覚える段階で問題があった★〕
「僕そんなに、男らしかったかなぁ・・・・・」
「え?いや~どちらかっていうと・・・中間じゃねぇか?俺と同じにおいがするガキだと思ったからよ。だから、あん時の坊主だってわかったんだ。」
「それは家庭運のなさせですよ、きっと。」
〔★それぐらいしか、共通点がない★〕


