「そうだとしても、夢を見るぐれーはいいだろう?俺ガキの時、烈司が羨ましかったぜ?」
「あの・・・・一緒に育ったと聞きましたが・・・?」
「育ててもらったな。烈司が俺を家に連れ込んで、そっから・・・・だから、俺にとっての実家は宗方家なんだ。」
「そうなんですか・・・」
「向こうは迷惑かもしれねぇーけど、一人前になったら、烈司の親父さん達に恩返ししたいと思ってる。烈司にも・・・ダチって言うより、兄弟みたいなもんだからな・・・俺の弟・・・」
「えっ!?弟ぉ!?」
「そう、双子みてぇーな意味でよ♪」
「そ・・・・」
(それは無理があるでしょう!?)
この間も、並んで歩いてる時、カップルと間違われてたじゃないですか!?
なによりも、見た目的に、瑞希お兄ちゃんが弟・・・・
「な、なんだよ凛?なに変な顔してんだ?」
「え!?あ、えーと、ですね~」
「わ、わかってるんだよ!ダチを兄弟と思ってるとか、くせーセリフだってことぐれー・・・」
「いえいえ、そういう意味では~」
「あ?じゃあ、どんな意味だ?」
「う・・・・」
言えない。
(あなたの方が弟ポジションですよ、とは・・・・・言えない。)
〔★しかし、事実だ★〕
「あん?なんだよ、ハッキリ言えよ?」
「だ、だからですね~~~~!」
ジロッとニラまれ、嫌われたくない一心で、苦し紛れに私は言った。
「うっ、うらやましいって思ったので!!」
「うらやましい?両親がいないことがか?」
「烈司さんですよ!れーじさん!だって~瑞希お兄ちゃんにそこまで好かれてるって、僕の立場がないと言いますか~」
「なんで?」
「いや、えーと、その、ほら!僕としては、僕だけを見て頂きたいというか~」
「凛だけを?」
「あ、いえ、その!付き合いの長さもありますし、ご恩もありますもんね~僕なんて、瑞希お兄ちゃんに助けてもらってるわけで、助けたことは~」
「あるぜ。」
「え?」
真面目な声と表情で言われた。


