彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「そうだとしても、夢を見るぐれーはいいだろう?俺ガキの時、烈司が羨ましかったぜ?」

「あの・・・・一緒に育ったと聞きましたが・・・?」

「育ててもらったな。烈司が俺を家に連れ込んで、そっから・・・・だから、俺にとっての実家は宗方家なんだ。」

「そうなんですか・・・」

「向こうは迷惑かもしれねぇーけど、一人前になったら、烈司の親父さん達に恩返ししたいと思ってる。烈司にも・・・ダチって言うより、兄弟みたいなもんだからな・・・俺の弟・・・」

「えっ!?弟ぉ!?」

「そう、双子みてぇーな意味でよ♪」

「そ・・・・」

(それは無理があるでしょう!?)





この間も、並んで歩いてる時、カップルと間違われてたじゃないですか!?

なによりも、見た目的に、瑞希お兄ちゃんが弟・・・・




「な、なんだよ凛?なに変な顔してんだ?」

「え!?あ、えーと、ですね~」

「わ、わかってるんだよ!ダチを兄弟と思ってるとか、くせーセリフだってことぐれー・・・」

「いえいえ、そういう意味では~」

「あ?じゃあ、どんな意味だ?」

「う・・・・」

言えない。



(あなたの方が弟ポジションですよ、とは・・・・・言えない。)



〔★しかし、事実だ★〕



「あん?なんだよ、ハッキリ言えよ?」

「だ、だからですね~~~~!」



ジロッとニラまれ、嫌われたくない一心で、苦し紛れに私は言った。




「うっ、うらやましいって思ったので!!」

「うらやましい?両親がいないことがか?」

「烈司さんですよ!れーじさん!だって~瑞希お兄ちゃんにそこまで好かれてるって、僕の立場がないと言いますか~」

「なんで?」

「いや、えーと、その、ほら!僕としては、僕だけを見て頂きたいというか~」

「凛だけを?」

「あ、いえ、その!付き合いの長さもありますし、ご恩もありますもんね~僕なんて、瑞希お兄ちゃんに助けてもらってるわけで、助けたことは~」

「あるぜ。」

「え?」




真面目な声と表情で言われた。