彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)







「ええ!?こんなシリアスな展開で、なんで笑います!?」

「笑わせてんのは誰だよ!?伊織と百鬼は除外って~あーはっはっはっ!あいつらが聞いたら傷つくぞ、オイ?」





口に手をやり、肩をゆらしながら笑う好きな人。

理由はともかく、彼の笑顔が見れたことで少しホッとした。





「だって・・・獅子島さんだと苦情を、百鬼さんだと『先にケンカしやがって!』って、不満をぶつけられそうで~・・・」

「あはは!そう考えちまうのかよ?あれでも2人共、凛を気に入ってんだぜ?」

「そうでしょうか?」

「今回、皇助なんて、俺を押しのけて、凛を助けたじゃんかよ?」

「あ!?その時に瑞希お兄ちゃん、ぶっ飛ばされましたが大丈夫でしたか?」

「俺は平気だけどさぁ~くっくっくっ!そこは、あいつの心配してやれよ~」

「あいつ?ああ、瑞希お兄ちゃんをキャッチした烈司さんですか?」

「いや、凛をキャッチした百鬼さんだ。」

「あ、すみません!善処します!」

「日本の官僚かよ?なぁ・・・・そんなに俺のこと、好き?」

「えっ!?」





思いがけない一言。

思わず彼を見れば、視線を泳がせていた。






「凛は・・・・けっこう、俺のこと好き、だよな・・・・?」

「けっこうって、規模が小さいですね!?宇宙一と思って下さい!!」

「お前、ホモとかゲイじゃないよな?」

「失礼なっ!!僕はノーマルです!!」

「だよなー・・・・・」






ふーとため息をつくと、泳がせていた視線を止める。

ジッと私を見つめ始める初恋のお兄ちゃん。





「凛・・・家庭愛に憧れる方?」

「え?いや、関心ないです。」

「ハッキリ言うなぁ~!?」

「お兄ちゃんは?」

「俺?俺は、めっちゃある。」





そう言うと、どこか得意げにフンと鼻を鳴らしながら言う好きな人。





「俺の場合、両親がいなかったから・・・・親のいる環境で育ってなかったから、やっぱりあこがれた。」

「いたとしても、良質な両親とは限りませんよ。」

「お前・・・真顔で夢のないこと言うなよ。」

「事実です。」



我が家がそうだもん。



〔★実例がある★〕