「ええ!?こんなシリアスな展開で、なんで笑います!?」
「笑わせてんのは誰だよ!?伊織と百鬼は除外って~あーはっはっはっ!あいつらが聞いたら傷つくぞ、オイ?」
口に手をやり、肩をゆらしながら笑う好きな人。
理由はともかく、彼の笑顔が見れたことで少しホッとした。
「だって・・・獅子島さんだと苦情を、百鬼さんだと『先にケンカしやがって!』って、不満をぶつけられそうで~・・・」
「あはは!そう考えちまうのかよ?あれでも2人共、凛を気に入ってんだぜ?」
「そうでしょうか?」
「今回、皇助なんて、俺を押しのけて、凛を助けたじゃんかよ?」
「あ!?その時に瑞希お兄ちゃん、ぶっ飛ばされましたが大丈夫でしたか?」
「俺は平気だけどさぁ~くっくっくっ!そこは、あいつの心配してやれよ~」
「あいつ?ああ、瑞希お兄ちゃんをキャッチした烈司さんですか?」
「いや、凛をキャッチした百鬼さんだ。」
「あ、すみません!善処します!」
「日本の官僚かよ?なぁ・・・・そんなに俺のこと、好き?」
「えっ!?」
思いがけない一言。
思わず彼を見れば、視線を泳がせていた。
「凛は・・・・けっこう、俺のこと好き、だよな・・・・?」
「けっこうって、規模が小さいですね!?宇宙一と思って下さい!!」
「お前、ホモとかゲイじゃないよな?」
「失礼なっ!!僕はノーマルです!!」
「だよなー・・・・・」
ふーとため息をつくと、泳がせていた視線を止める。
ジッと私を見つめ始める初恋のお兄ちゃん。
「凛・・・家庭愛に憧れる方?」
「え?いや、関心ないです。」
「ハッキリ言うなぁ~!?」
「お兄ちゃんは?」
「俺?俺は、めっちゃある。」
そう言うと、どこか得意げにフンと鼻を鳴らしながら言う好きな人。
「俺の場合、両親がいなかったから・・・・親のいる環境で育ってなかったから、やっぱりあこがれた。」
「いたとしても、良質な両親とは限りませんよ。」
「お前・・・真顔で夢のないこと言うなよ。」
「事実です。」
我が家がそうだもん。
〔★実例がある★〕


