彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「凛助が直接会ったのは今回で最初だが、アキナに関わるのは2度目だろう~!?」

「僕が?2度目!?」

「わはははは!伊織とカーチェイスしたそうじゃねぇか!?」

「え!?」





まさか!?思わず獅子島さんを見れば、ふーとため息をつきながら言った。





「皇助、俺の許可なく、凛道に言うんじゃない。」

「ということは!?」

「わははははは!」

「あれも、アキナの・・・!?」





険しい顔で瑞希お兄ちゃんが言う。




「そうなんだな、伊織?」

「そういうことだ。」





瑞希お兄ちゃんの問いに、シートベルトをはずしながら獅子島さんは言った。





「あの時点で、龍星軍を探っているのはつかんでいた。」

「なに!?だったら、なんで俺に言わない!?初代の頭は俺だぞ!?」

「だからこそ、だ。不確かな情報は伝えられん。」

「皇助には言えるのにか!?」

「車のことは、整備士に調べさせた方が良い。車体に、敵の車の塗装も残っていたからな。」

「敵って、伊織!アキナは、陽翔の彼女だったんだぞ!?」

「だからこそ、俺達を恨んでいる。俺達が見ていれば、陽翔は死ななかったと、現在進行形で憎んでいるのだ。」





別の意味で、嫌な空気になる。

お葬式よりも性質の悪いムード。





(こんな話、聞きたくない。)


「やめましょうよ!!」





そう思ったら、自然と口にしていた。





「凛・・・」

「伊吹陽翔さんのお墓参りに来たんですよね?」





震える声で問いただす。







「そういう話、やめましょう!幽霊の故人も聞いてるかもしれない・・・」

「っ!?・・・そうだな・・・」







それで瑞希お兄ちゃんも、素早くシートベルトをはずす。