「凛助が直接会ったのは今回で最初だが、アキナに関わるのは2度目だろう~!?」
「僕が?2度目!?」
「わはははは!伊織とカーチェイスしたそうじゃねぇか!?」
「え!?」
まさか!?思わず獅子島さんを見れば、ふーとため息をつきながら言った。
「皇助、俺の許可なく、凛道に言うんじゃない。」
「ということは!?」
「わははははは!」
「あれも、アキナの・・・!?」
険しい顔で瑞希お兄ちゃんが言う。
「そうなんだな、伊織?」
「そういうことだ。」
瑞希お兄ちゃんの問いに、シートベルトをはずしながら獅子島さんは言った。
「あの時点で、龍星軍を探っているのはつかんでいた。」
「なに!?だったら、なんで俺に言わない!?初代の頭は俺だぞ!?」
「だからこそ、だ。不確かな情報は伝えられん。」
「皇助には言えるのにか!?」
「車のことは、整備士に調べさせた方が良い。車体に、敵の車の塗装も残っていたからな。」
「敵って、伊織!アキナは、陽翔の彼女だったんだぞ!?」
「だからこそ、俺達を恨んでいる。俺達が見ていれば、陽翔は死ななかったと、現在進行形で憎んでいるのだ。」
別の意味で、嫌な空気になる。
お葬式よりも性質の悪いムード。
(こんな話、聞きたくない。)
「やめましょうよ!!」
そう思ったら、自然と口にしていた。
「凛・・・」
「伊吹陽翔さんのお墓参りに来たんですよね?」
震える声で問いただす。
「そういう話、やめましょう!幽霊の故人も聞いてるかもしれない・・・」
「っ!?・・・そうだな・・・」
それで瑞希お兄ちゃんも、素早くシートベルトをはずす。


