彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「おじさん、ひどい!!」

「ひどい、だ?」

「瑞希お兄ちゃん達が、そんなことするわけないじゃん!?決めつけないでください!」

「してねぇって言うのか?嘘つきは、逮捕されても仕方ないんだぞ?」

「飛び出しをするおまわりさんを部下に持つ人に言われたくない!説得力ないです!」

「なっ!?僕の飛び出し作戦に引っかかっておいて、それはないだろう!?」

「岩倉!!」

「訂正!残念な部下を持って、それを制御できてないおじさんにがっかりです!!」

「テメーもだろうが!!?」





途端に、大声を張り上げるおじさん。





「初代も制御できてないってんじゃ、テメーの方が大した悪ガキだ、4代目龍星軍総長・凛道蓮っ!!」

「な・・・・!?」

「ああ、そうだ!オメーらがやったという証拠はねぇ!けど、オメーらが関係してるだけの情報はある!検挙するには足りないぐれーだがな!」

「おじさん・・・」

「瑞希!!」





私をにらんだまま、瑞希お兄ちゃんを呼ぶおじさん。

その顔がシブくなった時、私の身体に触れている瑞希お兄ちゃんの力が一瞬ゆるむ。






「九條アキナと会わなかったか?」



(九條アキナ!?)





龍星軍の中で、私の中ではよくない印象の名前。

それが出たことで、空気が張り詰める。




「どうした?九條アキナのこと、坊やに話してないのか?」

「知ってます!伊吹陽翔さんの彼女でしょう!?」

「黙ってろ凛っ!!」





そう言うなり、私を自分の背中に隠すように押しやる。





「凛は黙ってろ・・・!!」

「あ・・・・・はい・・・・」





わずかに見えた横顔は、怖いとも悲しいとも違う、変な顔をしていた。

その口元が、はかなげに動く。