彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「わははは!俺様のが1番だろう、凛助!」

「百鬼さん、これは!?」




キュウリ担当の百鬼の作品を見て絶句する。




「割りばしと爪楊枝を骨組みにして作ったゼファーですか・・・・!?しかも、ロッケットカウル付き・・・」

「わはははは!モデルは俺様の単車!こいつは緑バージョンだぜ!ノーヘル上等だから、メットは作ってねぇが、ハンドルとミラーは作っといた!」

「早く現世に帰って来れそうですね。」

「褒めるなよ!わははははは!」



(呆れただけなんだけどな・・・)



〔★伝統もへったくれもない★〕



「みなさん、すごいですね・・・」

(それに引き換え私は・・・)





「凛のは・・・普通だな。」

「わははは!普通に地味だぜ!」

「普通っぽさがいいと思うぜ。」

「そうね。割りばしの足が普通よね。」

「個性だから普通でもよかろう。」





お兄ちゃん達が時間をかけて作ったのと比べ、私の作った精霊馬は、キュウリに割りばしを4本差しただけの馬。



(勝負したら、負けるだろうな・・・)



〔★競争が目的ではない★〕



みんなで作った馬と牛をお盆の上に飾りながら、瑞希お兄ちゃん達は優しくフォローしてくれた。





「気にするなよ、凛!来年には、すごい馬と牛が作れるように教えてやるから!」

「う、うん。」

「戦車作ろうぜ、戦車!烈司さんと作ろう。」

「あら、普通のお馬さんとお牛さんでいいじゃない!可愛いぬいぐるみ系にしましょう!パペットマペットみたいなの♪」

「牛を作った時と同じ手順で、馬バージョンを伝授してやる。キュウリの方が身がしまっているから作りやすいはずだ。」

「わっはっはっ!今度はバリオスにするぜ!」

「あ。ありがとうございます・・・」

(いくつ作る気だろう・・・)





笑顔で言う彼らを見ながら、割りばしをさしただけの馬と牛じゃダメなのだと悟った。



〔★個性が重要視された★〕