「わははは!俺様のが1番だろう、凛助!」
「百鬼さん、これは!?」
キュウリ担当の百鬼の作品を見て絶句する。
「割りばしと爪楊枝を骨組みにして作ったゼファーですか・・・・!?しかも、ロッケットカウル付き・・・」
「わはははは!モデルは俺様の単車!こいつは緑バージョンだぜ!ノーヘル上等だから、メットは作ってねぇが、ハンドルとミラーは作っといた!」
「早く現世に帰って来れそうですね。」
「褒めるなよ!わははははは!」
(呆れただけなんだけどな・・・)
〔★伝統もへったくれもない★〕
「みなさん、すごいですね・・・」
(それに引き換え私は・・・)
「凛のは・・・普通だな。」
「わははは!普通に地味だぜ!」
「普通っぽさがいいと思うぜ。」
「そうね。割りばしの足が普通よね。」
「個性だから普通でもよかろう。」
お兄ちゃん達が時間をかけて作ったのと比べ、私の作った精霊馬は、キュウリに割りばしを4本差しただけの馬。
(勝負したら、負けるだろうな・・・)
〔★競争が目的ではない★〕
みんなで作った馬と牛をお盆の上に飾りながら、瑞希お兄ちゃん達は優しくフォローしてくれた。
「気にするなよ、凛!来年には、すごい馬と牛が作れるように教えてやるから!」
「う、うん。」
「戦車作ろうぜ、戦車!烈司さんと作ろう。」
「あら、普通のお馬さんとお牛さんでいいじゃない!可愛いぬいぐるみ系にしましょう!パペットマペットみたいなの♪」
「牛を作った時と同じ手順で、馬バージョンを伝授してやる。キュウリの方が身がしまっているから作りやすいはずだ。」
「わっはっはっ!今度はバリオスにするぜ!」
「あ。ありがとうございます・・・」
(いくつ作る気だろう・・・)
笑顔で言う彼らを見ながら、割りばしをさしただけの馬と牛じゃダメなのだと悟った。
〔★個性が重要視された★〕


