「はあ~・・・やっと静かになった・・・・」

「うん・・・・でも、周りの視線が痛いかも・・・」

「大丈夫。そのうち他所へ行くよ。」



気休めで言った言葉だったけど、夜のお店の仕事帰りらしいお姉さんが入店し、つなぐに抱き付いた瞬間、それは実現する。



「会いたかったわ~つなぐ~!」

「まーこさん!おかえりぃ~じゃなくて、いらっしゃい♪」

「なにあの女!?」

「私達のつなぐ様を~!?」

「つな様と馴れ馴れしくムカつく・・・!」



(って、ホントにターゲットが移ったし!?)



〔★恋する女子は単純だ★〕



「なんだか・・・・大変だったね・・・」

「うん・・今回も疲れた・・・」



モテモテの仲間が遠ざかったことで、やっと私達2人の会話が始まる。



「本当に・・・凛君が無事でよかった。」

「ありがとう、涼子ちゃん。」

「でも・・・これからも気をつけてね?今回も良い人だったから良かったけど・・・・」

「良い人かどうか怪しいけど、その忍者から君へ。」

「え?」



フレンチトーストを食べる彼女にそれを差し出す。



「これは・・・」

「すごい包装でしょう?」

「凛君、これはなに・・・?まさか――――――!?」

「そう、そのまさか。中身は涼子ちゃんの携帯電話。」

「え!?あ、ああ!そうだったの!?あ、うん、そうだよね~!?」

「涼子ちゃん?どうかしたの?」

「う、ううん!なんでもない!なんでもないです!本当に!ラッピングほどくのが、もったいないわ!」

「だよね~」



涼子ちゃんの言う通り、完成度の高い包装だった。



「もしかして、これ、凛君が包んでくれたの?」

「いいえ、さっきの忍者がお詫びに包んだそうです。」

「あの人が?」



女性客に愛想笑いしている人物を目だけで見る友達。



「・・・マメそうだから納得できるけど・・・器用だね。」

「本当にごめんね。巻き込んでしまって。携帯がなくて、困ったでしょう?」

「ううん、平気よ。なによりも、盗られた瞬間、全然気づかなかったわ。」

「忍者の子孫だからね。まぁ・・・やったことを考えれば、スリともいえかもしれないけど・・・」

「ふふふ、そうだね。」



〔★同じと言っていい★〕