「ホント、凛はちっちゃいよなー?腕の中にすっぽり入るわ。」

「えー!?ちょっ・・・・!?」

(きゃああああああ!!?)





向かい合わせでの密着。

強く抱き寄せられる。

これは、頑張ってきたご褒美なのかと思う。



〔★瑞希からのハグ、凛は幸せそうだ★〕





「この可愛い見た目で、高千穂をはじめとした女子達をメロメロにしてんのかと思うと・・・ムカつくなー」

「えー!?ちょっ・・・・!?」

(きゃああああああ!!?)





体勢を変えての密着。

強めの羽交い絞め。

背後からの吐息と痛みに、これもご褒美なのかと思う。



〔★瑞希からのスリーパーホールド、凛は幸せそうだ★〕



「み、瑞希お兄ちゃん!嬉しいけど、突然どうして・・・・!?」

「何で喜んでんだよ、オメー!?喜ぶようなことしてないだろうー!?」

「あう、う、う!抱きしめてくれてるじゃないですか・・・!?」

「どう見ても攻撃だぞ、ばーか。」



その声に合わせ、スリーパーホールドがとかれる。

解放され、布団の上で脱力していれば、再び引っ張られた。




「あ・・・お、お兄ちゃん・・・」

「動くな、ばか。」

「だ、だって・・・・」





引き寄せられ、瑞希お兄ちゃんの腕の中へと収まる私の身体。





(う、腕枕!?)





再び訪れたラブイベントに、ワクワクドキドキしてしまう。

顔から火が出るぐらい恥ずかしかったけど、目だけでそっと瑞希お兄ちゃんを見る。

彼は天井を見たままこちらを見ない。




―万が一とか言うな。―




その横顔を見ていたら、彼が言った言葉がよみがえる。



「瑞希お兄ちゃん・・・・」



ちょっと迷ったけど聞いてみた。





「僕が遠回しに、『死んじゃったら後よろしく!』的な意味も含めて、万が一って言ったことを怒っておられますか?」

「お前、俺をそんなに怒らせてぇーのか!!?」





それでやっと、彼が私を見てくれた。

ふて腐れた顔なのに、なぜかうれしくなった。