彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「うははは!つまり凛はえんなんとか君に、自分の身代わりをしてほしいっちゅーことか!?」

「みが・・・!?は・・・はははは!はははは!!そーだよな!そうだよ・・・オメーだって、きれいごとばっかなわけないもんな!?テメーの身が危なくなれば、その代わりをさせるようなマネができ・・・」

「うん。僕に万が一のことがあったら、僕に代わって『総長』として、龍星軍を率いてほしいんだ。」

「え・・・・!?」





私の言葉に、笑っていた円城寺君が固まる。

怒ったり、話を聞いてくれないのはいつものことだけど。




(急に笑いだしたり、固まったりで、今日の彼は変だな・・・)





「みんなもわかってると思うが、今回の賞金首騒ぎや九條アキナの件で、俺が必ずみんなの側にいるという保証がなくなった。」

「凛道!?」

「凛!?」





それに弾かれたように叫ぶ円城寺君と――――――――





「なに言ってるんだ、凛!?」





真田瑞希さん。



私の愛する人の問いに、できるだけ丁寧に答えた。





「九條アキナさんのことは、機会がくればお話しいただこうと思っていますが・・・やはり、頭に何かあった時、俺以外で龍星軍をまとめることのできる者が必要だと思いました。」

「・・・・何かって、どういう意味だ?」

「例えば、人質を取られて1人で呼び出された時とか、残されたチームメートが心配するじゃないですか?」

「そっち!!?お前の言う『何か』ってそういうこと!?」

「まさか、死んじゃうとでも思いましたか?」






冗談で瑞希お兄ちゃんに笑いかける。

そして後悔する。






「・・・・すみません。嘘です。」

「・・・おう、2度と言わないでくれ・・・」





一瞬見せたゆがんだ顔は、泣きそうな小さな子供のように見えた。

だから、彼の気持ちを変えるためにも言った。