彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)







「ウェイウェイウェイ!イエーイ!可児っち、おめ!」

「うははは!タッチや、タッチ!野球漫画やないタッチやで!おめでとさん!」

「ははは〜!ありがとな!」



よほど嬉しかったのか、可児君はちーちゃんとヤマトとハイタッチをして喜びを分かち合う。

その様子に呆れるカンナさんと、顔を見合わせて苦笑いする。

そして、役職発表を再開しようとしたのだが―――――――



「・・・。」

「円城寺君?」



ふいに、円城寺君が不自然な動きをする。



「円城寺君、どこ行くの?」



話の途中だというのに、移動し始めたのだ。



「大河?」

「おい、大河!」

「うるせぇー」



爆裂弾男子の問いにそう返すと、私へ視線を移しながら言った。





「帰るんだよ。」

「え!?」





突然の帰宅宣言に困惑する。




「か、帰るって、なんで??」

「けっ!どうせ残りは、補佐役だろう!?」

「うん、補佐もだけど―――――――」

「俺は隊長以外、興味ない。暇じゃない。爆裂弾の頭でもあるんだよ。」

「な、なんか、いつもより怒ってない??」

「オメーから見ると、俺はいつもキレてんのかよ?」

「うん。」

「てっ、即答か!!?テメ、この~~~~~~けっ!!」




一瞬、極悪な顔になったけど、すぐにいつもの顔(?)に戻る円城寺君。

そして、ガレージに続く通路へと歩き出す。




「あ、待ってよ、円城寺君!最後まで聞いてくれないと困りますよ!?」

「カンナ、後で教えてくれ。」

「おい、大河!すねるのもいい加減にしろ!」

「すねる??」




カンナさんの言葉を聞き返せば、彼女は小声で教えてくれた。




「見りゃあそうだってわかるだろう?あいつ、あれでも結構凛に期待し―――――」

「おい、余計なこと言うなドブス!?」

「はあ!?八つ当たりかコラ!?」

「なんだと!?」

「事実だろう!?選ばれなかったから帰るくせに!」

「このアマ!」

「ちょ、待って待って!」




喧嘩になりそうな2人の間に割って入る。