彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「え~俺の代では副総長は、9代目になる。ナンバー2というイメージがあるが、そういう意味で選んでいない。むしろ、族の世界をよく知っていて、チームの規律を作り、『総長』と名のつく者に忠実に従ってくれる人にした。」


「それって――――――――・・・・・!?」

「いやいや、凛君・・・・」

「けっ!聞かなくても、決まってるってか~!?」

「凛さん!」

「我が君~お願い!!」

「よって、龍星軍9代目副総長は―――――――」



一身に祈っている彼に向かって言った。





「可児良信くん。」

「「「「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」

「お百度参りしてよかったぁぁぁぁ!!!」

「したんですか!?」

「もちろんですよ!!凛さん!!ありがとうございます!!」

「え?ちょっと~」



そう言うなり、私に駆け寄り、両手で手を握りしめる可児君。





「お百度ふんだかいがありました!この可児良信!!総長に未来永劫の忠誠を誓いますっ!!」

「いや、そこは神様に感謝しましょうよ?」

「ぐああああ!ヤッパリ可児かよ!」

「絶対、大河じゃない気がした。」

「うるせぇぞ、秀!」

「あははははは・・・・いいもん・・・・忍びは、諜報が命だもん・・・・これからだもん・・・」





可児君の背後に見える仲間の姿に、良心が痛む。

私の言った一言で、人間の天国と地獄を見た気がした。

かわいそうになる。



〔★実行したのは凛だ★〕




「おい、いつまで男同士で手を取り合っている?さっさと、腕章を取りに来い、寺の硬派!」

「は、はい!!獅子島さん!!」




パアアアと顔じゅう輝かせ、軽い足取りで腕章をもらいに行く可児君。



「俺の名に恥じぬように人生をささげろ。」

「はっ!!かしこまりましたぁー!!」



敬礼する姿を見て、どこの軍隊かと思ったが、引き継ぎが成立したのでよしとした。



〔★可児は副総長の腕章を手に入れた★〕