彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






「俺の代では親衛隊長は、10代目になる。なにかと頭を守るってイメージがあるが、出来ればサポート役として力を貸してほしい。仲間を守ってほしい。その思いで選んだ。」

「うはははは!照れるのぉ~!」

「誰がお前って言った関西人!?」

「リンリン、サポートサービスは俺で決まりっしょ♪」

「うるせーぞ、テメーら聞こえねぇ!!」

「カンナも怒鳴るなよ。凛君、誰にしたの?」

「ああ・・・・龍星軍10代目親衛隊長は―――――――」




それで一瞬静かになる。

その静寂(せいじゃく)に合わせて言った。





「高千穂カンナ。」

「あ、あたし!?」

「お、いいじゃんか~」





ギョッとする本人と周りに、初代親衛隊長が、ヒューと口笛を鳴らす。




「高千穂なら、いろんな面で凛たんのサポート出来るな。喧嘩も強いから安心だ。」

「む、宗方先輩、あたしで、いいんすか!?」

「それは4代目に聞くことだろう?」

「是非、お願いします、カンナさん。」




驚く親友に力強く伝える。




「お守り役をさせるつもりはないけど、一緒に龍星軍を支えてほしい。」

「凛・・・」

「異存がなければ、初代から腕章を受け取ってくれ。」

「腕章?」

「この日のために先輩が、用意してくださったんです。」

「どうする~高千穂ちゃ~ん?怖かったら、断ってもいいぜー?」




そう言って、自前で用意した腕章をちらつかせる烈司さん。

軽い口調で言ってるけど目はマジだ。




「なめてもらっちゃ困りますよ、初代親衛隊長。」




それはカンナさんにも伝わっていた。





「龍星軍をするのが、あたしの夢だったんす!宗方さん以上の親隊になってやりますよ!!」

「・・・・頼むぜ。」





烈司さんの前まで行くと、きっぱりと言い切る鬼姫。

それに目を細め、真面目な顔で腕章を渡す烈司さん。

引継ぎは成立した。



〔★カンナは親衛隊長の腕章を手に入れた★〕