「聞きたいことと、言いたいこと言えてホッとした。」
「ど・・・どういうことです?」
「真田瑞希さん、これがあんたへの『答え』だ。」
瑞希お兄ちゃんへと視線を移しながら忍びは言った。
「自分が『悪い』と思ってしまうような気持ちにさせるような『ワル』が凛道蓮だ。」
「軒猿・・・・?」
「つなぐでいいよ、凛道蓮。」
瑞希お兄ちゃんを見た後で、私へと目を向ける。
「金のためとはいえ、俺はあんたを襲ったのに、あんたは俺を助けた。命をかけてまでだ。」
「いや、そんな大げさなことじゃ~」
「大事だぞ!?2倍出すって話に飛びついて、君をだまし討ちにしたのにさ~普通は助けないぜ?」
「もうそのことは気にしないでください。涼子ちゃんのケータイを盗った件は許しませんけど。」
「だから、もっと自分のことで怒れよ!」
「そう言われても~」
「もーいいよ!」
そう言いながら、立ち上がるとこちらへと近づいてくる関山つなぐ。
私の周りに座る先輩達がニラみつけるが、それを気にすることなく、私の目の前に立つと言った。
「これ。」
「え?」
頬を染めながら、相手が差し出してきたのはラッピングされた小箱。
「なんですか、これ?」
「小林涼子の携帯だ。」
「涼子ちゃんの!?」
「・・・俺をかばって落ちた直後、俺の側にお前の携帯と一緒に落ちてた。」
「え!?僕のは?」
「俺が預かってる。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
「こいつが渡してくれたからな・・・・」
そう言いながら、ポケットから私の携帯を取り出して持たせてくれた。
「落とすなよ。」
「は、はい!いや~全然気づきませんでした。ありがとう、のき・・・関口つなぐ。」
「いいよ。小林涼子の携帯だけど・・・壊れてないか、確認するためにいじったが・・・個人情報は見てない。本当だ。」
「じゃあ、本当ですね!よかったぁ~火事やらなんやらで、それどころじゃなかったんで~」
「わびのしるしに、俺から小林涼子に連絡しておいた。明日にでも渡しに行け。」
「そこまでしてくれたんですか!?いや、助かります!ありがとう。」
「やっぱ・・・あんた変な奴だな・・・」
「え?」
変な奴?
ぼそっと言われた一言。
(お前だけには言われたくないなぁー・・・・)
と思った時だった。


