私の反応を見て、イライラした様子で軒猿は語る。
「見られたって思うだろう、普通は!?そこで勘違いして、胸チラサービスまでしたあん時の自分を、俺はブッ飛ばしてやりたいぜ!恥ずかし!」
「まぁまぁ。キレイなものだったからいいじゃないですか?その勘違いにもびっくりですが、僕はどちらかというと・・・解毒剤をくれたことの方に、驚きましたが?」
「チッ!それもだな。ホント・・・・・俺だって、なんで解毒剤渡したか自分でもわかんねぇよ・・・!」
「じゃあ、僕らには永遠にわからない謎ですね~」
「他人事みたいに言うなっての!その直後だったんだよ!九條アキナから連絡が来たのは!」
「え!?」
「アキナが何だって!?」
禁句ワードともいえる言葉を口にしたことで、初代龍星軍がざわめきたつ。
「『ラクシュアラー』からの連絡用のLINEで、『話したいことがある』ってきた。それは仕事がある時の合言葉なんだ。」
「そこでアキナさんから、賞金の2倍出すと・・・・言われたんですね?」
「そうだよ。ラクシュアラーを間にはさんで、俺にコンタクトをとってきたんだ!九條アキナがヤバい女だってうわさは聞いてたけど、金まわりが良いからリスクはあっても受けていいと思った。」
「どうして、涼子ちゃんを誘拐しなかったんですか?」
「俺、基本はフェミニストなんだ。人質を取る真似はしたくなかった。」
「君が紳士で助かった。危うく涼子ちゃんを巻き込むところでした。」
「だからって、本当に1人で来るとは思わなかったぜ。俺に勝てると思ったのか?」
「いいえ。無我夢中でしたから。」
「アキナの弾丸から、卑怯な手を使った俺を助けたよな?あれも無我夢中?」
「理由はないです。結果的に、助けたになりますが。」
「からくり部屋に身替わりで落ちたこともだ。ヘルメットの男が来なきゃ、お前、死んでたんだぜ?」
「結果的には、生還を果たしました。」
「お前・・・・・・・・・なんなの?」
「龍星軍4代目総長・凛道蓮ですが、なにか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・知ってる。」
そうつぶやくと、ゆっくりと両肩を落とす軒猿。
「わるかった・・・」
「いや、何度もリピートしないでください。暴走族をしてるんで、悪いのは~」
「その悪いじゃない。」
下げていた顔を上げながら、軒猿は言った。
「『ごめんなさい』の意味だ。」
「え?」
「すまなかった、凛道蓮・・・・・俺、スゲーダサかったよ・・・・・」
「軒猿?」
「『つなぐ』でいいよ。」
そう言った顔は、どこかすっきりしていた。


