彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






私の反応を見て、イライラした様子で軒猿は語る。



「見られたって思うだろう、普通は!?そこで勘違いして、胸チラサービスまでしたあん時の自分を、俺はブッ飛ばしてやりたいぜ!恥ずかし!」

「まぁまぁ。キレイなものだったからいいじゃないですか?その勘違いにもびっくりですが、僕はどちらかというと・・・解毒剤をくれたことの方に、驚きましたが?」

「チッ!それもだな。ホント・・・・・俺だって、なんで解毒剤渡したか自分でもわかんねぇよ・・・!」

「じゃあ、僕らには永遠にわからない謎ですね~」

「他人事みたいに言うなっての!その直後だったんだよ!九條アキナから連絡が来たのは!」

「え!?」

「アキナが何だって!?」





禁句ワードともいえる言葉を口にしたことで、初代龍星軍がざわめきたつ。





「『ラクシュアラー』からの連絡用のLINEで、『話したいことがある』ってきた。それは仕事がある時の合言葉なんだ。」

「そこでアキナさんから、賞金の2倍出すと・・・・言われたんですね?」

「そうだよ。ラクシュアラーを間にはさんで、俺にコンタクトをとってきたんだ!九條アキナがヤバい女だってうわさは聞いてたけど、金まわりが良いからリスクはあっても受けていいと思った。」

「どうして、涼子ちゃんを誘拐しなかったんですか?」

「俺、基本はフェミニストなんだ。人質を取る真似はしたくなかった。」

「君が紳士で助かった。危うく涼子ちゃんを巻き込むところでした。」

「だからって、本当に1人で来るとは思わなかったぜ。俺に勝てると思ったのか?」

「いいえ。無我夢中でしたから。」

「アキナの弾丸から、卑怯な手を使った俺を助けたよな?あれも無我夢中?」

「理由はないです。結果的に、助けたになりますが。」

「からくり部屋に身替わりで落ちたこともだ。ヘルメットの男が来なきゃ、お前、死んでたんだぜ?」

「結果的には、生還を果たしました。」

「お前・・・・・・・・・なんなの?」

「龍星軍4代目総長・凛道蓮ですが、なにか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・知ってる。」





そうつぶやくと、ゆっくりと両肩を落とす軒猿。





「わるかった・・・」

「いや、何度もリピートしないでください。暴走族をしてるんで、悪いのは~」

「その悪いじゃない。」





下げていた顔を上げながら、軒猿は言った。





「『ごめんなさい』の意味だ。」

「え?」

「すまなかった、凛道蓮・・・・・俺、スゲーダサかったよ・・・・・」

「軒猿?」

「『つなぐ』でいいよ。」





そう言った顔は、どこかすっきりしていた。