気がついた時、ふかふかのベッドで寝ていた。




「ここは・・・」

「うはははは!気がついたかいな!?」




目の前いっぱいに、カチューシャをつけてサングラスをかけた男のドアップ顔が出てくる。



「ヤマト!?」

「うはははは!危なかったんやで~凛!」

「危なかった・・・・?」



ボーとする頭で考える。

何が危なかったのか。



(私は確か~・・・・)



思い出して、ガバッと体を起こす。





「涼子ちゃんと、軒猿が半陰陽で、九條アキナが火事で、瑞希お兄ちゃーん!?」

「うははははは!そこまで思い出せたらええなぁ~!」





〔★ツッコミ不在は難しい★〕



そうよ、思い出した!

私は、軒猿に涼子ちゃんを人質にされて、錦織町の森林の中にある廃墟ビルに呼び出されたんだ!

軒猿の正体をカミングアウトされ、タイマンして勝ったけど・・・・・





「伊吹陽翔の彼女が現れて焼き殺されかけた・・・・!」





そこまで言って気づく。




「ここ、どこですか?」

「シゲ先生の病院やで♪」

「え!?病院!?」





私の枕もとで、頬杖つきながら言うヤマトにゾッとする。




「僕を病院まで運んだのか!?」

「しゃーないやん!凛、一酸化炭素中毒&拳銃で撃たれておおごとやったんやから~?」

「だ、だからって!病院に運ばれちゃ、僕が困ることは―――――」


「どう困るのかね?」





聞き覚えのある声にビクッとする。




「あ・・・・」

「応急処置がよかったから、火災の煙による脳へのダメージはない。銃弾も右腕、左腕、左足にかすってるだけで、貫通はしていない。目立つ傷跡は残らない。」

「シ、ゲ、先生―――――!?」




医療用の手袋をはずしながら、私の前に現れたご老体。