〈自分が死にかけてる時までかっこつけてるの!?まだ助かるとでも思ってるの!?消防車なんて来ないわよ!〉
「黙れって、俺言ったよな、九条アキナ?伊吹陽翔の品が下がる。」
〈やめろ凛っ!!アキナを傷つけるな!!マジで殺されてぇーのか!?〉
「僕は死なないよ。」
〈凛!?〉
「大切な人と約束したから、死なない。」
それで視線をスピーカーから、画面に戻す。
煙で苦しかったけど、大切な人に向けてニッコリと笑う。
「あなたに認められた4代目総長が、こんなことぐらいで泣きごとを入れちゃダメでしょう?」
〈り、ん・・・・!?〉
私の言葉で、瑞希お兄ちゃんの顔がゆがむ。
そんな顔みたいんじゃないのにと思う。
だから、笑ってと言おうとしたのだけど――――――――
〈あ、あーそう!そういうことだったのね!?〉
雑音が入る。
〈アキナ!?〉
〈お兄ちゃんの前だから強がってるのね!そうよ、そうじゃなきゃ~やりがいがないもの!そうよね、凛道蓮君!?〉
〈凛に何する気だ、アキナ!?〉
〈うるさいわよ、真田瑞希!いいわ、付き合ってあげるわよ!あんたが、4代目として立派なのかどうか!?〉
〈どうしようってんだ、アキナ!?〉
〈アキちゃん、いい加減にしなさいよ!〉
〈今すぐ火を止めんと、こちらも容赦せんぞ・・・!?〉
〈ア~キ~ナ~!!俺様を怒らせたいか!!?〉
〈もう怒ってるじゃない。〉
久々のブチ切れモードを見せる先輩方に、声だけの女が得意げに言う。
〈見てるだけしかできないギャラリーは黙ってな!〉
〈アキナ!!テメー!!マジで、凛を焼き殺す気かっ!!?〉
〈あら?怒った、真田瑞希さん?心配しなくても、あんたの可愛い凛道蓮がもだえ苦しむ無様な姿だけは、流し続けてあげる!〉
〈なっ!?やめろ、アキナ!俺が憎いなら、俺が代わりに死ぬ!凛は関係ない!〉
〈だからこそ、こうしてるのよ!もう遅いわ・・・陽翔が苦しんだように、それ以上にもがいて死になさい、凛道蓮!!苦しめ、真田瑞希!!〉
〈凛!!〉
画面から私を呼んでいた瑞希お兄ちゃん達の姿がゆがむ。
「お、お兄ちゃ・・・・!?」
〈見せないわよ。〉
ノイズが入り始めたところで、勝ち誇ったような声が響く。


