彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)






〈あんた・・・あと5分もしないうちに死ぬのよ。〉

「一酸化炭素中毒でしょう?」

〈煙の量を減らして、焼き殺してやることもできるのよ?〉

「それは無駄です。もう、俺の意識はなくなりつつある・・・」

〈冗談だろう、凛!?〉

「本当です、瑞希お兄ちゃん。かわいそうな人だ・・・九條アキナさん・・・・」





画面ではなく、声が出ているであろうスピーカーの方を見ながら言った。






「アキナさん、あなたがしゃべればしゃべるほど、伊吹陽翔さんは『けがれて』いく。真田瑞希さんへの苦痛を願えば願うほど、伊吹陽翔さんの魂はあなたから離れて行く。」

〈ふざけるな!宗方烈司じゃあるまいし!なにがわかるの!?〉

「わかるよ。アキナさん、どうしてわからないの?ああ、そうか。」





まばたきをやめ、ジッとスピーカーを見つめたまま、棒読みで言ってやった。





「アキナさん、龍星軍の総長じゃないから、伊吹陽翔さんの気持ち、わからないんだよ。」

〈な、〉

「理解するためにも、なればいいのに。」

〈なに言ってるの!?なれるわけが―――――――〉

「そうだよ。選ばれた人しかなれないんだ。覚悟を決めた者しかなれない。アキナさんがなれるわけないし、なれない人に、総長の座にいた伊吹陽翔さんの気持ちなんてわかるわけないんです。」





煙がつらかったけど、瞬きを我慢しながら告げる。





「かわいそうだね、アキナさんって。伊吹陽翔さんの女にはがっかりだ。」

〈あんたは―――――――――・・・!!?〉






これでもかってぐらい、すごく嫌味ったらしい顔で微笑む。





〈なんなのよ!!〉






私の言葉を受け、女が叫ぶ。